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金元サル軍団第3回『ア・メ・ノ・ヲ・ト』

SE 雨

「あーもう! 今日は降らないと思ったのになぁ!
最近の天気予報は嘘つきだ。 ちくしょー。」

雨は嫌いじゃない。

目をつぶって音に身をゆだねると、どこまでもイメージが広がる感じがする。

人には「変だ」って言われるけど、雨粒が地面や車、建物に葉っぱ、そして傘にぶつかる音が、近くだったり遠くだったり・・・それが煙っていくように交じり合って溢れていく。

それを一つ一つ心の中で探したりするのは、面白いんだけど・・・

今みたいに足止めされるのは、とってもイヤだ!

・・・とは言え、何が出来るわけでもなく、軒下で雨が弱くなるのを待つしかないわけで。

しかたがない。

このどこにもぶつけようもないイライラを押さえるためにも、ちょっと目を瞑って・・・

ふぅ・・・

一番大きいのは、ビニールルーフに降っている雨の音。

たぶん、慌ててるんだろう走っていく人の足音。

傘に雨粒がぶつかる音もする。

ときどき大きな水滴が落ちるような音がする。

これは、街路樹から落ちてくる水滴かな?

バラバラっと落ちてきたのは、風のせいかな?

そのまま風に乗って雨雲が過ぎ去ってくれると良いんだけど・・

ん? 誰かがそばに来た?

息を切らして・・・軽く深呼吸して、整えてる。

あ、話しかけられちゃった。

「え? 目をつぶって何を考えてるんですかって?
あ、変ですよね、目をつぶって突っ立ってるなんて。

雨が過ぎるのを待っているんですけど、何もすることがなかったから、音を聴いてたんですよ」

なんか、ちょっと変な人っぽいよね、これは流石に・・・

と思ったんだけど、この人も目を閉じて耳を澄まし始めた。

「雨粒がいろいろなものにあたる音がしませんか?
ビニールだったり、車だったり、地面だったり。
それをたくさん探してたんです。」

 二人して、ただただ雨の音を聞いていた。

 雨の音に混じって、隣の人の鼓動も感じた・・・気がした。

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