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100%大絶賛は無いと言うこと

ニコニコ生放送の定型になっている『放送満足度アンケート』で『1.とてもよかった』が100%になることはままあります。
しかし、どんなコンテンツであろうと万人がすべて満足すると言うことはありえません。

ラジオやTV(ドラマやバラエティ、スポーツ中継やニュースすべてを含めて)、小説に漫画に楽曲に……エンタメも芸術もすべてにおいてです。

もし一様に同じ価値観の人間だったら100%はあり得るかもしれない。
もっとも、そんな無個性が人間なのか?と言う哲学的な問題も出てきますが(苦笑)

なんなら、昨今は料理屋さんですら評価に左右されることもあり、それが原因で店が潰れることもあります。
その評価が軽い気持ちで書いたものだったとしても、それが意見の支持率が高くなれば未来を決定付ける一打になることもあるのです。

そして、逆に提供側となる人間としても気になりますし、無碍にしてはいけないでしょう。

ちょっとそんなことを『なぜ100%はありえないのか』と『評価される側が気にすべきこと』の両サイドについて書いてみようと思います。

今の世の中、参考になることもあるでしょうし、そもそもこの記事ですら100%支持されるわけがないと言うことでありますが(苦笑)

『なぜ100%はありえないのか』

具体的な例があった方が良いと思いますので、僕がやっているコンテンツから2つ挙げてみましょう。

 

・ドラマCD

アニメでも良いんですけど、僕の実績でアニメを語るのはどうかと思いますんで、ドラマCDとしておきましょう。
さらに僕が担当することの多い『原作者が脚本を担当している』と言うシチュエーションにしましょうかね。

まず真っ先に否定されることがあるのは『役者』についてですね。

みなさんまっさらな状態(声が着いてない状態)で作品を見るときは、一声のイメージはせずに楽しむと言うタイプもいますが、多くの場合はキャラクターイメージを膨らませるうえで『声』を想像すると思います。
一番文句を言いやすい部分ですよね。
声が合わない、芝居が合わない……
僕は比較的声のイメージを固め過ぎないようにしてると言うか、想像するにしても幅を持たせる癖があるので声で「この人しかいない!」と言うのがそれほど無く、口調だとか雰囲気の方を重視しています。
なので、TVアニメとか見てても拒否感ってそれほど起きないんですよね。
芝居に関しては……まぁ、それも趣味の問題です(笑)

一番賛否で多い部分でもありますが、CVを否定する意見を目にすると個人的には心が痛みます。
その役者のせいではないですからね。そんなもん。

次に作品の解釈について。
脚本が原作者本人が書いたとしても、映像がない分解釈に自由度があるんです。
そもそもが原作者自身が(実はそうじゃないんだけどなぁ)って思っている場合もあるでしょう。
あと、実際にあった例としても「自分(作者)が思ってたよりも良いシーンになる」と言うこともあります。
これは好意的な例ですが、作者ですらイメージより良くなるくらいの自由度だとか、表現媒体の差と言うのがあります。
なので、聞いている人にとっても違和があると言うのは決して失礼でもないし不自然でもありません。

そして効果音やBGM。
これは役者の芝居以上に幅があって、完全に趣味が合うと言う方が少ないと思います。
演出家や音響効果・選曲担当の趣味などに依存しますし、演出としてミスマッチがかっこ良かったりすることもあり、ミスマッチを受け入れられるかどうかで評価が二分したりしますからね。

あと、尺(時間の長さ)。
作品を表現するのに足りなかったり、間延びしてるように感じたり……
蛇足などがある場合は根本的な問題となりますが、そういうのが無くてもCDめいっぱい入れても足りない!って人もいれば、10分だと短いけれどそれくらいがちょうど良いという場合もあります。
まぁ、コレに関してはコストパフォーマンスとしての評価になることが多いですけどね。

 

・ラジオ番組

例えば一人しゃべりの番組だったとします。
二人以上であれば、まず「相方が気に食わない」と言うファンが出てきてしまうでしょうからね(笑)

一人しゃべりで、その人が好きなことをテーマにしている番組とします。
しかも、構成作家などのスタッフの雰囲気が見えないとします。
スタッフで嫌いと言うのも少なくないでしょうからね。

さらにWEB番組としましょうか。
オンデマンドであれば、興味ある人しか聞かないのが前提になりますので。

ここまで縛ればそれこそニコニコ生放送では『とてもよかった 100%』が極めて出しやすい状況となります。

これだけお膳立てしても不満が全くない放送は出来ません。
最初の数回は「この人はこういうのが好きなんだね!」とか「じっくりと趣味とかをその人の声で聴けるって幸せ」と言う感じになります。
しかし、放送を重ねていけば細かいところまで自分を晒すことになります。
多くの人は好意的に受け取ってくれるでしょう。
でも、プロフィールなどで紹介されてなかったような細かい趣味の話になってくると、ファンが初めて知る事実と言うのが出てきます。
初めてと言うときに「そんなのが好きだったなんて幻滅した」と言うのが必ず出てきます。

恋愛でもそうですけど、好きになればなるほど『期待』しちゃうものです。
『自分の理想を重ねてしまう』から。

アイドルを直訳すると『偶像』となりますが、まさに偶像そのものです。
あらかじめ知っていることならそれを含めて受け入れているものが、知らない要素が入ってきた時に、バランスが崩れてしまうことがあります。
そうすると幻滅してしまうのです。

 

……とまぁ、重箱の隅をつつくような些細なものです。
でも、その些細なものでも不満ではありますし、それをWEBで公開したところ拡散されてしまったりもあります。

しかも困ったことに肯定的な意見で寡黙で、否定的な意見って強いんですよね。
おそらく、一つの意見に対しての割合って賛否は1:10くらい差があります。
つまり、否定的な意見ってのは10倍くらい声がでかいんです。……もっとかな?……

 

そんなわけで、それを踏まえまして……

『評価される側が気にすべきこと』

について書きましょう。

 

まず、否定的な意見は気になるものですが、その意見が的を射てるかを精査することです。
先ほど例に挙げた通り、否定的な意見が0になることはありません。
逆に言えば見当違いだろうが意見が出ると言うことはアクションされていると言えるので喜ばしいことです。
明らかに落ち度のある意見は受け止めるべきですし、最初からそういう意見が来るのが想定されているのであれば思い通りになったと肯定的に受け止めるべきです。

そもそもが、最初に『ターゲット』をきちんと考え、そのターゲットから外れている人からの非難は無視するくらいのつもりでいるべきです。

なんてことありません、ビジネスの基本です。
基本には違いないんですけど……はやり意見って気になっちゃいますよねぇ……

あと、『一人の理想』を基準とするならば、それが100%叶うと言うことはまずありません。
と言うのも一人で作ってるわけじゃないからです。
なので、自分の理想の形そのまんまにならないのが当然くらいのつもりでいないと「なんで完成形は自分のイメージ通りじゃないんだ!」となりかねません。

そもそもが、自分の理想がベストとも限らないと言えるんですけどね。
色々な人が持ち寄って、それをバランスよくミックスされたものって、客観的に俯瞰したときにはベストに近い形に落ち着くものだと僕は思います。
そのためにも、より多くの人が作品作りに携わるって大事な事なんじゃないかな?とも思います。
家庭用のパソコンですらCGが動かせたりする今の時代、個人制作で作品が作れちゃったりもしますが、やはり規模の大きな作品と言うのは大事ですし、大きいからこその完成度と言うのが存在します。

逆説的に考えると、僕とかがもともと好きだった作品がアニメ化とかドラマCDとかになった時に「自分だったこうするのに!」と言うのが絶対あります。
最近で言えば、実写版『極主夫道』だけです、ぐうの音も出ないくらい完璧で「ごめんなさい、是非そのままドラマ化して下さい」と土下座したくなったのは。それ以外では何等かの「自分だったら……」と言うのがあります。
それを酒の席とかでグチグチ言うのもなかなか楽しいものがあるのですが……作品を否定的に見ればいくらでもケチをつけることが出来ちゃうんです。

ちょっと論点がブレてきましたね。
とにかく評価される側は必要以上にお客さんの声を聴きすぎると軸がブレるので、ちゃんとターゲットを絞っておきましょう。と言うことです。

……なんか、コンサルでもしてるのか?みたいな記事になってしまいましたね……

今回は自分の土俵と言うことであれこれ書きましたけど、最近はどうにも「つまらない苦情に振り回されている」ことだとか、「気にしなくていいような雑音に神経をすり減らしている」と言うのが増え続けているような気がして、ついつい書いてしまいました。

伝えたいことの延長には、文句を言うだけなら簡単に出来ちゃうと言うことがあります。
そして、ぜひとも『褒める』とかポジティブなことを積極的に声を上げてほしいなと言う願いを込めています。
もちろん、単純に自分がこういう仕事をしてて、自分のかかわるコンテンツでは是非嬉しい意見が溢れて欲しいという欲望もありますけど(笑)

このWEB黎明期からニフティ会議室だとかを楽しんでいた僕ですが、SNSも隆盛して過渡期から成熟期へ向かっているように感じます。
しかし悪い部分がちょっと強く出過ぎているかな?と思うんです。
それ以上に良い部分もあって、20年以上前とは違う世界に、当時では考えられない化学変化も起きるようになりました。
でも、もっと楽しい未来を作れる気がするので、小さい声ながらブログに書いてみました。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
是非、オーディオドラマやモーションコミック、ゲーム・アプリなど、声優さんが芝居するコンテンツを持っている方、考えている方がいましたら、お気軽にご相談ください(宣伝)

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