演出家として

芝居における『間』の影響

今回言及したいのは『芝居の間』。
テンポではない。
いや、テンポも要素としてはあるんだけど……
複数の要素があっての『間』のお話。


要素は大きく3つである。



[間の広さ(長さ)]
一番の基本はこれでしょう。
じゃあ、どんな影響があるのか……


間がないと捲し立てられ、畳み掛けられる。
例えるなら、考えることをさせずに押し切る感じ。


逆に間がたっぷりだと、余裕を感じられ、理路整然としているように感じられる。
例えるなら、相手に拒否させない力強さがある。


前者は焦ってて、後者は余裕がある。
前者は馬乗りになってマウントを取りにかかってて、後者はねじ伏せに行ってる。
……そんな感じ?


[テンポ]
台詞にもテンポは存在します。
調整の前に、台詞とBGMのテンポが合致すると効果的ですし、外れていると取ってつけたかのような印象を与えてしまいます。
BGMに対して台詞を乗せるために間尺を直すことは少なくありません。
フリー音源の場合台詞のテンポに曲を合わせることもあります。


そして、以下はBGMが無い状態での話になります。


台詞がトントントンと淀みなくテンポ良く繋がっていれば、その人は迷い無く心底疑いなく喋ってる印象になりますが、トントンントントンとリズムが外れる感じだと、嘘をついているのか自信が無いような印象になります。


少しでもズレるとひっかかりが出てきますんで、場合によっては意図的にズラして空気を作ったりもしますし、収録時にハマりきらなかったものが編集時にテンポを整えるとグッと良くなったりもします。


[息]
ブレスが強過ぎたり、急ぎ過ぎてると、緊張感が出てしまうのを編集で小さくしたりカットしたりする事で印象が変わったりもします。
場合によってはブレスの差し替え素材を貰うこともあるくらい雰囲気に影響するんですよね。
しかし、収録時に声を出すために必要なブレスだったりするので、役者に「ブレスを浅くして!」と言いにくい場合もあるし、新人が緊張しててコントロール出来ない場合もあるんです。
そうなると編集のお仕事ですね。


大きくこの3要素が芝居における間を作っています。
ブレスに関しては息の芝居として独立して指示することもありますが、そこにテンポも大きく影響してきます。
(そもそも、息の芝居ってもっと大きい芝居の時に使いますしね)


BGMの店舗に関しては聞きながら収録してるわけじゃないので、当然ながらベテランの役者でも編集する事が当たり前にあります。
(だって音楽のテンポは直せないもん!)
しかし、良い役者さんの芝居って意識してるかどうか分からんですが、間やテンポも良い!
上手い下手が如実に出ると思います。


続きを読む "芝居における『間』の影響"

| | コメント (0)

芝居の演じ分けって、とても奥が深いなって話

ふと思ったのですが『ピッチを変えずに演じ分け』ってどれくらい行けるのでしょう?

演じ分けで一番分かりやすいのはピッチを変えてしまう事ですよね。
音の高低で差別化するのは、明確ですし。

ただ、落語なんかを見てるとピッチはそこまで差をつけなくても演じ分けが成立している。
もちろん、ビジュアル面で右向き左向きで表現していると言うのもありますが、音だけで聴いててもきちんと会話してるように聞こえるのだから、その点は作用として大きいわけじゃないんでしょう。

男性の声のような女性もいれば、逆も然り。

そうなると、音以外のキャラクター要素って実に多彩で、それらを駆使出来てこそ、声優なのかな?
……なーんて、最近ツイッター上で繰り広げられてた『声を変える問題』に対しての、自分の中でのそもそもの声の演技論だったりしました。

続きを読む "芝居の演じ分けって、とても奥が深いなって話"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

人間の身体も楽器です

ツイッターで……

“声優、と言うか、人間の身体って本当に楽器だなぁ……と改めて思った現場だった。 本当に声優って仕事は奥が深いね。”
 
と呟いたところ、音響を目指している人などがイイネをしてくれていたので、時間が無いので殴り書きになりますけれど、ちょっと記事を書いておこうかなと思います。
 
要点で言えば、マイクに向かってしゃべれば良いってもんじゃないんですよって言う話です。
 

続きを読む "人間の身体も楽器です"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

偉人肖像画の落書きは笑っていいの?

コロコロコミックのチンギスハーンの落書きネタ問題が問題になってましたが……その反応の中に「これを笑ってはいけないのであれば、何を笑えば良いんだろう」と言う反応があり、ちょっと面白いなと思いました。

日本人は差別だとかに対して世界レベルで言えば意識が相当低いと言う意見があり、グローバルとか言うのであれば日本が変わる必要があると言う。
それに関しては反対はしません。
もっと勉強して良いと思います。
差別についてと権利について(著作権に飛び火w)

ただ、お笑いとしてブラックユーモアについてのネタにする手法だとかも表現する側・伝える側(芸人達やマスメディア側)ももっと勉強すべきでしょうし、受け手側がそれを知る機会が必要なのかなって思います。

あと、今回の件で言えば、子供は大笑いするでしょうし、子供向けであればアプローチとして間違えてない気がするのですが……商業誌でやると言うことについて考える必要があったのかなって僕は考えます。

続きを読む "偉人肖像画の落書きは笑っていいの?"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

常に廃業に怯える日々

ツイッターのタイムラインで目にした一つの記事

ハガキ職人から放送作家、そして廃業へ。

細田哲也さんとは面識も無ければ、知らなかったのですが、なんと同い年じゃないですか!
38歳の廃業。
それは『僕のもう一つの姿』だった可能性があったわけで。

現在(株)MFSに所属していますが、その前まで22歳~34歳の実に13年間フリーランスで活動をしてて、何も後ろ盾のない状態に常に怯えてた……ごめんなさい、怯えては無かったですが、いつ廃業するかもしれないと言う事を念頭に活動をしてました。

だって干されでもすれば終わりですから。
業界の中のたかが1スタッフ。
アニラジくらいしか出来ていない、放送業界に従事してるとしたらとても脆弱な実績。
フリーランスのくせにラジオ大阪以外に特にコネも無し。

僕は常々考えていた事がありました。

「アニラジしか出来ない人は、いずれ消える」

続きを読む "常に廃業に怯える日々"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

オーディションの不明瞭なボーダーライン(7/9のツイート群まとめ)

オーディションで、自分で採点してるのに申し訳なくなる理由の一つに『感覚が合わない』ってのがあります。
多分、当落ギリギリの時に僕じゃなきゃすり抜けるかもしれないのに×がついてしまった人は、すまん!って思いながら落としてます。

…じゃあ、その『感覚』とは?

続きを読む "オーディションの不明瞭なボーダーライン(7/9のツイート群まとめ)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

下手な芝居とマズいナレーション

久し振りに芝居論とか長々と書きたくなったので、暇な方はお付き合い下さい。

ありがたい事に最近は演出業として、オーディオドラマやナレーションもやってたりするので

すが、やればやるほど自分の中での芝居論みたいなのが固まってくるんですよ。
そもそも趣味・志向も多分に影響する絶対的な正解のない世界なので、あくまで一つの意見と

して受け止めて頂ければ幸いです。

最近、また学生さんのオーディオドラマの収録を見る機会がありまして、その時に感じた事と

、個人的に「??」って思ったナレーションを耳にする機会がありましたので、その切り口か

らの芝居とナレーションの差異を書き残そうと思います。

まず、前回の記事の発展系になるので読んでおいて頂けると。
http://radio-on.air-nifty.com/daily_kodaman/2017/01/post-314d.html

続きを読む "下手な芝居とマズいナレーション"

| | コメント (0)

『棒読み』の正体

内容としては、つまるところ『芝居の基礎のさらに前段階』だと思います。
けど、それすら出来ていなかったり、気付いて無かったりするのかなって。

状況としては、脚本を手に演じる、なので朗読ですね。

『脚本を見て、そこから作品世界をイメージして、それを表現する』って行程で発声するはずなのですが、中間のイメージが大事なのではないかと思うのです。
このイメージがしっかりしてれば演じられる。
イメージが適当だと「文字を読んでるだけ」になる、と。

当然のことながら、朗読なのですから映像はありません。
でもその声を聞いてその世界が広がる…のが理想です。
いや、理想と言うかそうあるべきものです。

続きを読む "『棒読み』の正体"

| | コメント (2)

演出家としての無理と手段…かな?

この夏に『まーぶるconfection!』と言う、百合作品のドラマCDを演出させて頂きました。
ありがたいことに否定的な感想は無く、極めて満足頂けているようでホッとしています。

もちろん、企画・脚本の藤枝雅さんの世界観・脚本がしっかりしていたし、そこがウケていると理解した上で…
ひとまず、演出家として邪魔をしなくて良かったと思ってます。


続きを読む "演出家としての無理と手段…かな?"

| | コメント (0)