演出論・演技論

『声優』としての『芸』と『能』って、なんでしょうね? ~だから僕はラジオドラマを作り続けます~

まずは、こちらの記事を読んで頂きたい。

芸能人「闇営業」と芸人の「無能化」

一部抜粋引用をします。

・この「芸人」という言葉ですが、「芸能人」から「能」の字が取れるとこの形になりますね。

・「闇営業」問題ですが、「芸能人」から「能」がなくなって悪い意味での「芸人」と化したことが、大きな理由の一つになっているのではないかと私は考えています。

・予定されていたプログラムが演じられることよりも、生放送ならではのドタバタや、打ち合わせ不足による勘違いなど、アクシデントの方が視聴者に受ける。

なるほど、僕が感じる不快感はそこにあったのかと膝を打つ。

前々から「僕はひょうきん族よりドリフ大爆笑」と言い続けて、その理由として「前者はリアクションをベースに笑いを取るのに対して、後者は筋書きのある完成したコントだから」「弱者をいじめてその滑稽さを笑う前者に対して、反骨したり足掻いて見せ結果的に立場は変わらなくても反撃して見せるところで笑える後者」と説明していました。

今でもそう。

アドリブ任せや役者が役から外れるのを面白いと言うのはさせたくない。
ミニドラマをラジオでやるにしても、ドラマとして完成度の高いもので、「中の人が演じているのが楽しい」ではなく「アニメや原作と違ったキャラが見れて楽しい」を求めたい。

芸事に対してストイックと言えば綺麗だけど、古いタイプと言っても良いかもしれない。

なので今はやりの芸人さんでも、好きな人ってナイツだったり陣内智則さんの映像を使った一人コントだったりと、きちんと台本があって作り込んでいる人達だ。

だからと言って、実際に商売的にはウケる必要があるわけなので、そう言う(声優の負担のデカイ、アドリブ前提のミニドラマだとか)のを否定はしません。
嫌いと明言はしても。

けどまぁ……馬鹿みたいに多くの人にウケなくても、細々とトラッドスタイルと言うか、声優に芝居をさせるコンテンツを続ける馬鹿スタッフが居てもいいのかなって。

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芝居における『間』の影響

今回言及したいのは『芝居の間』。
テンポではない。
いや、テンポも要素としてはあるんだけど……
複数の要素があっての『間』のお話。

要素は大きく3つである。


[間の広さ(長さ)]
一番の基本はこれでしょう。
じゃあ、どんな影響があるのか……

間がないと捲し立てられ、畳み掛けられる。
例えるなら、考えることをさせずに押し切る感じ。

逆に間がたっぷりだと、余裕を感じられ、理路整然としているように感じられる。
例えるなら、相手に拒否させない力強さがある。

前者は焦ってて、後者は余裕がある。
前者は馬乗りになってマウントを取りにかかってて、後者はねじ伏せに行ってる。
……そんな感じ?

[テンポ]
台詞にもテンポは存在します。
調整の前に、台詞とBGMのテンポが合致すると効果的ですし、外れていると取ってつけたかのような印象を与えてしまいます。
BGMに対して台詞を乗せるために間尺を直すことは少なくありません。
フリー音源の場合台詞のテンポに曲を合わせることもあります。

そして、以下はBGMが無い状態での話になります。

台詞がトントントンと淀みなくテンポ良く繋がっていれば、その人は迷い無く心底疑いなく喋ってる印象になりますが、トントンントントンとリズムが外れる感じだと、嘘をついているのか自信が無いような印象になります。

少しでもズレるとひっかかりが出てきますんで、場合によっては意図的にズラして空気を作ったりもしますし、収録時にハマりきらなかったものが編集時にテンポを整えるとグッと良くなったりもします。

[息]
ブレスが強過ぎたり、急ぎ過ぎてると、緊張感が出てしまうのを編集で小さくしたりカットしたりする事で印象が変わったりもします。
場合によってはブレスの差し替え素材を貰うこともあるくらい雰囲気に影響するんですよね。
しかし、収録時に声を出すために必要なブレスだったりするので、役者に「ブレスを浅くして!」と言いにくい場合もあるし、新人が緊張しててコントロール出来ない場合もあるんです。
そうなると編集のお仕事ですね。

大きくこの3要素が芝居における間を作っています。
ブレスに関しては息の芝居として独立して指示することもありますが、そこにテンポも大きく影響してきます。
(そもそも、息の芝居ってもっと大きい芝居の時に使いますしね)

BGMのテンポに関しては聞きながら収録してるわけじゃないので、当然ながらベテランの役者でも編集する事が当たり前にあります。
(だって音楽のテンポは直せないもん!)
しかし、良い役者さんの芝居って意識してるかどうか分からんですが、間やテンポも良い!
上手い下手が如実に出ると思います。

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